特養看護師奮闘記
特別養護老人ホームにおける、利用者と看護師の日々の関わりを日記に綴りました。 笑いあり、涙あり、怒りあり。 読んで絶対後悔ナシの、感動のページです。 コメントもたくさんお待ちしています。
本日の行動!

今日、「人としての生き方を見つめなおしてみよう」と言うテーマで、講演さしていただいた。
参加者は23名。 何と殆どの方が70歳以上・・・
・現代医学の落とし穴
・現代医療の功罪
・自己決定のために
というような内容で進めさしてもらったのだが、あとの質問では
「特養に入るのはどうしたらいいのか?」
「今申し込んだらどれ位待てばいいのか」というようなものが多かった。

この年齢になると、施設のことも真剣に考えているのだなあと、地域の人の生の声を聞けた。
いつもはスピードが早く、俗に言う早口なのだが、年齢を考えて極力ゆっくり喋るように努力した。
持ち時間は90分。 考えていた内容の3分の2くらいしか伝えられなかった。
第2弾をという、嬉しい声も頂いた。

午前3時。携帯がなった。
「チカさんが痙攣を起こしています。血圧は・・・酸素の取り込みは・・・」
『私に何故電話・・・(遅出だったことをすっかり忘れていた)。』
「○○さんのために用意している××を飲ませて。」
「それだけでいいのですか?」
「ほかに何か出来ることあるの?」
「・・いいえ・・」
「じゃあ、それでお願いします」

介護員は、看護師はパーフェクトだと思っている節がある。
この介護員は新人で、きっと痙攣発作を見るのが初めてなのだろう。
『入院を』ということを期待していたのかもしれない。
自分に代案があるときにだけ「それだけでいいのですか」と聞いて欲しい。
この言葉を夜半の電話で今までに2度聞いている。
私としては、余り用いて欲しくない『言葉』なのだ。
利用者本人・家族・年齢・疾患など全てを考え合わせた上で、依頼していることなのだから。

午後、看護師から電話が入った。
「チカさんの痙攣は治まってますが、意識はいまひとつ。熱もあります。」
「以前と同じね。もう少し様子見ましょうよ。明日になっても今と同様なら点滴を開始して。」

チカさんは70を少し超えた年齢。
チカさんの病気では、この年齢まで生きることは珍しい。
家族からは、最後まで施設で対応することを望まれている。

チカさんの痙攣は、今年になって3度目だ。
そのたびに「覚悟しておいて」と家族に言い続けているが、そのたびに復活。
今回も復活してくれるだろう。
明日も私は休みだ。 チカさんの元気な顔を明後日に見られることを期待しよう!





ツヤさんの奮闘!

ツヤさんのことは、何度か書いたことがある。
「ほら、お母さんきたよ。」と、着替えて医務室に入っていくと、早出の看護師が傍にいるツヤさんに言う。
別に何ということはないのだが、ツヤさんは食事を終えると医務室に来て目薬を点してもらうことが日課なっている。

早出業務が大変な時に、ツヤさんが来るのだから、早出の看護師の心中は穏やかではない。けれど、ツヤさんはそんなことはお構いなし。
私と相談員の関係は、今でもツヤさんには親子で通っている。

当初、ツヤさんが介護員に私のことを○○(相談員)のお母さんが・・・と言って、介護員たちは全く分らなかった時期があったが、今では看護師・介護員共にツヤさんの前では、私たちが親子と言うことで話をあわせている。

ツヤさんの隣の部屋(個室)の人が、夜半に部屋の中で倒れているのをツヤさんが発見してくれた。
聞けば、その時間に何故か隣人の部屋を覗いて発見したという。
ツヤさんは、隣の部屋の人は自分が面倒を見てあげなければならないと思っているところがあるので、気になって覗いたのだろう。

利用者同士が喧嘩しているのを見つけて、ツヤさんが介護員室に報告に来てくれたこともある。その利用者の一人が引っかかれて大きな傷を作っていた。

倒れている利用者に(一過性の意識消失)、寝ていると勘違いして、ツヤさんはわざわざ毛布をかけてくれたこともある。

ふらふら歩いている利用者が倒れそうになったところを、ツヤさんが受け止めてくれて大事に至らずにすんだこともある。
「ここへ来て半年(事実は1年以上)経ってるのに、給料を一銭も貰っていない。」
とツヤさんはよく愚痴をこぼす。

ツヤさんは、ここで仕事をしていると思っているのだ。
だから、施設から勝手に抜け出しても、お絞り配りの時間になると、戻ってくる。
道がわからないときには、タクシーを乗りつけたこともある。
警察から通報を受けたこともある。

そんなツヤさんではあるが、今は施設になくてはならない人になっている。






ノリエさんという人!

ノリエさんは、私と眼が会うと必ず口を空けて歯を出して見せてくれる。
というのも、ノリエさんは義歯を2度喉に詰めかけたことがあるのだ。

現在施設に往診に来られている歯科医は、私のかかりつけ医を引っ張ってきた人だとノリエさんは承知しているからだ。

ノリエさんの2度の喉詰を起こしそうになった時の義歯は、以前の歯科医が作ったものであった。
ノリエさんは、まだ60歳そこそこと若い。
にも関わらず、義歯を諦めていた。

そして、現在の歯科医が義歯を作った。
そしてこれが非常にフィットして、全くずれることは無かった。
だから、ノリエさんはその歯を自慢げに見せてくれるのだった。

「あのねえ、クリスマスに財布あげるわ。赤よ、赤好きだといったでしょう。」
「エッ、私ノリエさんに赤が好きだといったっけ。」
「言ったわよ。だから赤の財布あげる。」
確かに私は赤が大好きだ。が、ノリエさんに言った覚えはないんだけどなあ・・・

「でも、ノリエさん、お金はどうするの?」
「主人に頼んで買ってきてもらうわ。息子ね、結婚するって言うから反対したの。まだ25で若いでしょう。」
「そんなの反対したら駄目よ。相手の子を知ってるの?」
「いい子よ。写真で見たのだけれど。息子ね、○○に家を建てるの。」
「そこご主人の家の近くじゃない。」
「そうよ。息子ね自分で家を建てるのよ。」

ノリエさんの話はどこまで本当なのか分らない。
話がどんどん大きくなっていく。
自慢の息子のことになると、どんどんどんどんエスカレートしてくる。

ノリエさんの頭は、現在と過去それに未来を自在に使い分けているようだ!




サチさんとのコンタクト!

今日は時間のゆとりがあり、久しぶりで利用者の居室を訪問した。
サチさんが写っている写真を眺めていた。
するとサチさんが頭をもたげ、人差し指で写真を指差し、次いで自分を指した。
「ああ、この写真がサチさんだといってるのね。」と私は言った。
「サチさん、これ『納涼祭』の写真だよ。隣が息子さんだね。」と私。

「サチさん、娘さん何人いるの?」と、私は指を1本立て次いで2本立てた。
サチさんは、自分の指を2本立てた。    正解だ。
「じゃあ、息子さんは何人?」とさっきと同じようにして聞いた。
サチさんは2本立てた。   正解だ。

「じゃあこれにサチさんの名前を書いて。」と、鉛筆を握らせた。
メモ帳にミミズがのたくったような字、というより暗号が書かれた。
でもよく見ると、最初の字は何とかサチさんの姓に似ていた。

「サチさん、娘さん達良くやってくれるよねえ。」
そう言うと、サチさんはなんだか嬉しそう。
「お父さんね、サチさんのこととっても心配していたんだよ。」
そう言うと、サチさんは急に悲しそうな顔になった。
「お父さんね、サチさんを引き取って自分が面倒みたいと思ってたんだよ。伝えておくね。」
それを聞いたサチさんは、顔をくちゃくちゃにして「う・・う・う」と声にならない声で悲しんだ。

サチさんの夫はこの夏に病気で亡くなった。
サチさんも葬儀に出席した。
サチさんは全く喋れないし、こちらの言ってることが分ってるのか分らないのか判断がつかなかった。
けれど、このことでサチさんには全て理解できていることが分った。
自分の思い・考えを表現できないサチさんを想うと、心が痛む。




授業を終えて!

4月から始まった『看護学校』の講義がやっと今日で終了した。
最後に今後の講義に向けて、私への注文を教えて欲しいと学生に尋ねた。
「時々この質問に答えられたら○点加算すると言いましたが、答えて点数をもらえた人はいいけれど、そう思っていても答える機会がなかった人とには、不平等性が生じるので、小テストでもしたほうがいいと思う。」と一人の学生が進言してくれた。

質問内容が難しくて、皆に懸命に考えて欲しくてそういったのだが、学生が言うのも一理ある。けれど、記憶する限りにおいては、余り手を上げる人はいなかった筈だが・・

デスクの荷物を整理している時、一人の学生が傍にやってきた。
私に勤める施設の住所を教えて欲しいと。
理由は、一人暮らししていた義父が、『脳出血』で倒れ現在は入院中。しかし退院の許可が出たので、老人保健施設を探している。言葉が喋れず片方の手足に麻痺が残った。現在介護認定中。仮に、自宅に戻るとなれば自分が介護をしなければならず、そうなると学生を辞めねばならない。老健に入所しても時期が来れば出なくてはならない。だから今から信頼できる私の勤める施設に申し込みたいと。

彼女は○○に住んでいる。
私の施設は××県にある。随分離れている。
それを承知で申し込みたいと言う。
入所はまだまだ先になるけれど、それでもいいと言う。
彼女はもう直3年生になる。
是非卒業してもらいたい。
早速明日にでも、パンフレットと申込書を送ってあげようと思っている。





モリタさんが逝った!

昨日、昼過ぎにメールが入った。
「モリタさん死去」
今朝モリタさんの娘からお礼の電話を頂いた。
昨日私は休みだったためにわざわざと。

看護師2名とモリタさん担当の介護員それにもう一人の介護員が見守るなか、モリタさんは旅立たれた。
退院当日の夕飯の際のモリタさんは、入院前と同じように食べて少し話した。
以後、食事を殆ど摂れず喋らなかった。
先週の木曜日、最後の入浴になったが、そのときのゆったりした顔。
そんないい思いを頂いていた私は、最期の看取りは出来なくても本望。

「人間亡くなるのは引き潮のとき・産まれるのは満ち潮の時」と言われる。
確かに看護師をしていた随分前は、殆どの患者は夜半に亡くなっていた。
ところが施設に来て感じるのは、日中が多いと言うことだ。
あるいは、職員の出勤する時間(午前8時頃)や退社する時間(午後5時頃)に亡くなられる方も少なくない。

施設では、出勤している職員が総出で御見送りさしていただいている。
モリタさんも沢山の職員の見守る中、去っていかれた。
ツヤさんも今回は利用者代表で、職員に混ざって送ってくれたらしい。
思うに、亡くなられる利用者は、大勢で見送ってもらえる時間を選んでいるのだろう。
私は、『死』は亡くなっていかれる人が仕組むものだと考えている。

          ーモリタさんのご冥福をお祈りするー





陽と陰・・・

今日、私の住む市の○○委員会のメンバーとして参加した。
今回で2度目の出席だ。
その趣旨は「生きがい作り」(高齢者対象)と言うことで、興味があったから申し込んだ。
任期は1年間。 けれど、4年間引き続いて活動している人もいる。

今日の趣旨は、今後について話し合ったことと、介護学校で教えている看護師の講義。
テーマは「急変時の対応」
心筋梗塞・狭心症・出血・脳出血の際の見分け方と救急車の待機時の対処と言う内容だった。

参加者は全て素人ばかりなので、非常に興味を持たれて聞いていた。
そしてこのような話は、地域にも広めなくては・・・と言う意見まで出ていた。
しかし・・・・

「救命」確かに大事なことだ。
けれど、高齢者を救命したときの結末・・・
まだ、そこまで突っ込んだ講義を聴いたことが無い。
全て助かるわけでもない。
そして、助かっても元に戻ると言う保証は無い。
それどころか、一時は安堵した家族でも『あああのときにいっそ・・・』と言う人に言われない悩みを抱えることになることだって少なくは無い。

思うに、あるテーマについて語る際は、良い面ばかりを語るのではなくて、その反対の言い換えれば隠された面まで語らなければ、伝えたということにはならないのではないかと思うのだが・・・






入浴・血便・嘔吐!

モリタさんの状態は一進一退。
殆ど意識が無い。今日は入浴日だ。
最高血圧75、おまけに酸素の取り込みも悪い。  『さてどうする』
「入浴させましょう。」介護員にお願いした。
看護師が一人入浴場にいる。
本来なら彼女に任せるのだが、今回は私も同伴した。

浴槽に入ったモリタさんは、眼をパッチリ開けた。
なんともいえないくらいいい顔だ。
「健康な頃のモリタさんはどうだったの?」と介護員に聞いた。
「お風呂大好きでしたよ。」と介護員が答えてくれた。

「ギプス取っ払ってしまいましょう。」
入浴後、モリタさんにはギプスをはめないことにした。
『今後に及んで、ギプスも何もあったもんじゃない。』

午後、「フジさんが便をしましたから来てください。」と呼ばれた。
便器は暗赤色の便と血液・・・『やはり消化管からの出血だったんだ』
「フジさん、やっぱり腸からの出血だわ。 『癌』かもしれないわ。痛み無いんだったら様子見ようか?」
「お金ないで。最期まで見てもらうのにお金足りへんで。」
「いらんわ。お金いらんよ。向こうの世界に行くのに階段1歩登った所。」
「そうか。まだずいぶんかかるなあ。それじゃあ困るわ。苦しむのも嫌やで。」
「分った。でも直にあちらの世界にと言うわけには行かない。けど、苦しまないように最期まで付き合うから。」
「じゃあ、頼んどくわ。ラーメン食べに行きたいなあ。」
「宅配頼んであげようか?」
「何あほなこと言ってんのや。みなを連れて○○へ行っておごりたいと言ってるんや。」
「そう・・・ごめん。 血を止める薬飲もうか?」
「いらん。今でもたんと飲んでる。苦いヤツあれどうにかしてや。」
「分った」

フジさんは血圧が高くて『降圧剤』を3種類飲んでいた。
今日の血圧は120。『出血があれば血圧も徐々に下がっていくだろう。』
フジさんの降圧剤を1種類中止することにした。

一昨日からショートステイのトシオさんが、同じような時間に嘔吐しだした。
「どこかおかしいの?」と聞いた。
「頭が・・・ふわふわ浮かんでるような・・・オシメ交換であっちこっち・・」
脳梗塞の後遺症で言ってることが聞きづらいが、押し目交換のときに左右に体を動かしたときに頭がふらふらしてはいてしまうといってるのだろう。
「体をあっちこっち動かしたときにめまいがするということ?」と聞いた。
「そう・・や」
『回転性眩暈』だ。
「分った。薬出すから。残りは家にもって帰って。」
トシオさんは、今日自宅に帰る。
施設の状況と薬のことを手紙に書いた。
それを夫人に渡してくれるように相談員に依頼した。





あれやこれや・・・

今日も帰宅時には、思考回路寸断気味。
出勤後直にモリタさんの所に行った。
昨日より状態が悪い。  

申し送りで、92歳になるフジさんがオシメに多量の黒っぽい便が出たという報告があった。  『タール便だ』(消化管出血の場合、こんな便が出る)
フジさんのところへ・・・
「なんともないで。 安静にしとけばいいやろ。」そう言って、触らせてくれない。
「癌かもしれない。どこからの出血か分らないから、トイレに行ったときに、看護師に言って。」そうお願いした。

滅多に面会に来られないフジさんの長男夫婦がたまたま面会に来られた。
フジさんの状況をお伝えした。
家族の思いは、年齢のことを考えれば、そっとしておいてほしいと言うものであった。

モリタさんの家族が来られた。
娘は、膝を悪くしたので、これから『MRI』を撮りに行くらしい。
夫人だけモリタさんの傍についていた。
夫人も杖を突き、足を引きずってしか歩けない。
モリタさんの入院から始まって相当疲れているようだ。

シズさんの家族(娘3人)が、シズさんをペースメーカー外来に連れて行くといってこられた。
家族とはもう1年くらいお会いしていない。
シズさんの現状を伝えた。
シズさんは、殆ど自力摂取できなくなり、何よりも生きる意欲を失くしておるように感じると。
娘達もそう思っているようであった。
ペースメーカーの入れ替えは控える覚悟をしていると言う。
「兎に角、苦しまないようにして逝かせてやりたいと思っています。」

アキさんの足の褥瘡がなかなか治らない。
それどころかドンドンひどくなってきている。
アキさんの足は冷たく色が悪い。
心臓の悪いアキさんの足の循環が悪いために、治らないと思われる。
○○薬品を開始することにした。

整形外科医の往診があった。
スーさんの関節注射のためにだけ、2週間に1回来てくれている。
久しぶりについていった。
「スーさんに介護の人たちを困らせるようなことを言わないように先生から言ってください。
でないと、注射をしないといって欲しいのです。」

スーさんは、このところ滅法機嫌が悪く、無理を言って介護員を困らせることが多くなっていた。
スーさんの関節は固まっているので、針を入れるにも一苦労。
医師は、よくこの痛みを我慢できるものだと感心している。
そこへ看護師がやってきた。
「ここ見て。スーさん、なかなか処置をさせてくれない。」と言う。
スーさんの傷がひどくて汚いと言う報告は受けていたが、気ままなスーさんだから我侭が出ているのだろうとぐらいにしか考えていなかった。

ガーゼを取った。 左足小指からすぐ下に4セン大の『潰瘍』が出来ていた。
私は思わず、「スーさん痛いでしょう。よく我慢したねえ。」といってしまった。
それ程ひどかった。
『そうか、傷の交換が痛いから拒否するんだ。それに、入浴を嫌うのもそれが痛むからなんだ』やっと分った。

スーさんの足はこれまた循環が悪い。
両手両足が、リウマチのために変形してしまっている。
もう少しスーさんの言い分をしっかり聞いてあげればよかった。
兎に角、循環を良くして早く「潰瘍」を治さなくては。
○○薬を開始することにした。

ススムさんの熱は微熱になっていた。
午後検温に行った。
「この熱はきっと貴方が自己導尿する際、感染を起こしたのだと思う。」 
「わしは、心臓だと思うわ。」
「違うね。抗生剤が効いたのだからやはり『感染』でしょう。」
「そうかな。」
「いずれにしても薬はきちんと飲んで。それから熱を下げてあげたのだからお礼ぐらい言ってほしいわ。」
「ありがとな。」
文句の多いススムさんは、嫌にあっさりとお礼を言ってくれた。
やはり40度の熱はこたえたのだろう。





モリタさんの急変!

あーあ、やっと人心地。
今日は最高に疲れた。
遅出出勤。 早出の記録に眼を通す。

モリタさんが、夜半から38度以上の発熱があった。
ショートのススムさんは、昨夕39度の熱。 これに対に対しては、昨日の遅出看護師が対処してくれていた。

モリタさんの所に行った。  『ヤバ!』
モリタさんの顔色が尋常ではない。
最高血圧は80しかない。 熱も38.8度。
夫人に電話を入れ、様子を報告した。

モリタさんの採血をして、検査を依頼しようと思ったが、血の逆流が無い。
血圧が低いと採血できないのだ。
抗生剤と水分補給の目的で、点滴を開始した。
酸素の取り込みは70〜80%。 酸素吸入を開始した。

ショートステイ入所の人の薬の調整で、家族に電話したり、午前中はあっという間に済んでしまった。
おまけに今日は、看護学生が3名実習に来ている。
殆ど関わってあげる時間が無い。

午後3時前、モリタさんのところへ。
午前中よりますます状態がよくいない。
血圧も70をきった。
酸素の取り込みは70%弱。 熱も下がらない。

再度夫人に電話を入れ、次いで長女に電話を入れた。
「お母さんを夕方でもいいから連れてきてあげて。もし明日まで間に合わなかったらいけないから。」そうお願いした。

退院してきた日の夕食は、入院前と変わらず、これなら復活は早い。そう思った。
しかし、翌日から食欲がなく加速度的に悪化して行った。
夕方夫人と娘・モリタさんの弟が面会に来られた。

あれ程低かった血圧が、130まで上昇している。
モリタさんは何も言わないけれど、興奮しているのだろう。
状況を家族に説明した。
「退院して、ここで看取ってもらうのが本人にとって一番幸せだと思う。」と、家族は言った。

午後3時、ススムさんの検温に行った。
がたがた震えている。
熱は40度。 解熱剤の注射をし、抗生剤を始めた。
ススムさんは、自己導尿(管で尿を出す)をされているが、そこからの感染かも知れない。

夕食時の熱は、38度。
「寝る前に抗生剤を出しているから飲まないと駄目だよ。」と私。
「そんなもの飲むかい。」とススムさん。
「何言ってるの、さっきは40度の熱で震えていたくせに。」と私。
「そうかいな。」とススムさん。
ススムさんは、持参薬も抵抗して飲まないことがあるし、とかく文句の多い人だ。
「兎に角抗生剤だけはきちんと飲まないと効果ないから。」
それだけ言って、傍を離れた。

医務室に戻って記録を書いたら、当に勤務時間が済んでいた。






プロフィール

komurin

Author:komurin


FC2ブログランキング

FC2ブログランキング

↑↑ 是非クリックお願いします。


FC2カウンター


リンク

このブログをリンクに追加する


最近のコメント


最近の記事


最近のトラックバック


月別アーカイブ


カレンダー

10 | 2009/11 | 12
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 - - - - -


ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる


ブログ内検索


RSSフィード


Powered By FC2ブログ

Powered By FC2ブログ
ブログやるならFC2ブログ


カテゴリー